物語の第1話、病院のベッドで横たわる倭助は、悠仁に向かって「お前の両親のことだが…」と切り出そうとした。しかし、悠仁自身が「興味ねえよ」と遮ったことで、その真実は長らく闇に葬られることになる。このシーンは一見、よくある家族のすれ違いに見えたが、今振り返れば物語全体の運命を左右する決定的な瞬間だった。
倭助は明らかに、悠仁の母である香織(の皮を被った羂索)の異常性に気づいていた。そして、息子である仁がその「異形のもの」に取り込まれ、生まれてくる子供(悠仁)が尋常ならざる運命を背負わされることを予感していたのだ。彼の遺言は、呪術の連鎖から孫を救い出そうとする、必死の抵抗だったと言える。