自衛隊結婚式をプランニングする上で、民間式場との間で最も入念なすり合わせが求められるのが「儀礼刀(サーベル)の持ち込み・抜刀ルール」です。
「儀礼刀は刃がついていない模造刀だから大丈夫だろう」という認識は現場では通用しません。刀剣類・長尺凶器に類似する物品の持ち込みに関して、主要ホテルや専門式場は警備会社および警察署の指導に基づく厳格な内規を設けています。関係者の証言によると、トラブルを防ぐため以下の3箇条が現場での鉄則とされています。
第一に、式場に対する事前の「抜刀承認」の取得。一般的なレストランや歴史的建造物会場では「刃物類の露出禁止」を掲げているケースがあり、申告を怠ると当日サーベルアーチが不可となる事故が起こり得ます。
第二に、運搬時の厳封管理。駐屯地や自宅から式場へ運ぶ際、刀袋に入れ、さらに専用ケースなどに収めて他者の目に触れない状態で持ち込まなければなりません。
第三に、余興時以外の管理徹底。披露宴の歓談中に子どもが触れたり、酔客が振り回して万が一の接触事故を起こしたりしないよう、サーベルアーチ終了後は即座に控室の金庫または担当幹部が管理する規定が徹底されています。
また、披露宴の進行においては階級社会のプロトコルを外さないことが絶対的なマナーです。主賓挨拶は新郎の直属上司である「連隊長」「大隊長」「中隊長」や、艦艇の「艦長」などが務めます。式中の乾杯発声も部隊最先任者にお願いするのが慣例です。
席次表の配棟においても、民間企業以上に「上座・下座」の序列が厳然と存在します。新郎側の主賓席には階級上位順に配属先の幹部・曹長が整然と並ぶため、プランナーに対して自衛隊の階級秩序(将・佐・尉・曹・士)をあらかじめ共有しておかなければ、失礼な席次配置になってしまうリスクを孕んでいます。