SNSや知恵袋などのコミュニティでは、「一度捻挫してから、何もない平らな道でも足首をひねるようになった」「足首がグラグラしてテーピングが手放せない」という悩みが日常的に投稿されています。なぜ足首捻挫は「癖になる」と表現されるのでしょうか。
取材した複数のアスレティックトレーナーや整形外科医の証言によると、靭帯そのものが伸びて緩んでしまう物理的要因(機械的不安定性)以上に、足首の位置や傾きを瞬時に脳へ伝える「メカノレセプター(固有受容感覚器官)」の機能不全が主原因であることが明らかになっています。
足首の外側側副靭帯には、関節が急激に内側に傾いた際、「危ない!」と察知して反射的に外側の筋肉(長・短腓骨筋)を収縮させ、足首を外側へ引き戻すセンサーが備わっています。しかし、捻挫によって靭帯が損傷すると、このセンサーの感度が著しく低下します。脳からの「踏ん張れ」という電気信号が数ミリ秒遅れるだけで、足首は自重を支えきれずに再び内側へ反転してしまうのです。
「痛みが消えた=治った」と自己判断し、リハビリを怠ったまま復帰した選手は、受傷後1年以内の再発率が約30〜40%に達するという臨床統計が存在します。テーピングで外側を固めていれば一時的に転倒を防ぐことはできますが、それは人工的な杖に頼っている状態にすぎません。自前の筋肉による反射的な防御反応を取り戻さない限り、テーピングを外した瞬間に再受傷する悪循環から抜け出せなくなります。