ピッチの踏み心地ひとつで、試合の流れは一変する。北米3カ国で共同開催される2026 FIFAワールドカップの開幕を目前に控え、競技場の仕様はこれまでにないレベルまで高度化している。
国際規格のピッチにおいて、現在世界標準となりつつあるのが天然芝と人工芝を特殊技術で混紡したハイブリッド芝ピッチだ。土壌の地下深くには高精度センサーが埋め込まれ、水分量や地温、根の張り具合がリアルタイムでデータ化される。豪雨に見舞われても数分で排水を完了させる地下強制排水システムや、寒冷地でも芝の成長を促す地熱コントロール機能は、いまや国際大会を開催するための必須要件となった。
選手が90分間トップギアで走り続けられる環境の裏には、アグリテックと土木工学が結集した緻密な科学が存在している。