この地が誇るのは現代の絶景だけではない。歴史と文学の残り香も漂う。南アルプスと中央アルプスに挟まれた伊那谷は、古くから多くの文人墨客を魅了してきた。
信濃国を度々訪れた俳人・小林一茶も、この地域の自然や人々の暮らしを温かい眼差しで句に詠んでいる。厳しくも豊かな信州の季節の移ろいは、時代を超えて人々の感性を刺激し続けてきたのだ。
ダムの完成によって生まれた比較的新しい湖でありながら、周囲を取り囲む山々や風には古き良き信州の情緒が今も脈々と息づいている。紅葉を眺めながら歴史の残り香に思いを馳せるのも、贅沢な過ごし方と言えるだろう。