一時期は小町通りや江ノ電の混雑が社会問題化していた鎌倉。しかし2026年の鎌倉は、かつての武家の古都らしい厳かな佇まいを取り戻しつつある。自治体と地域住民が連携して打ち出した「時間分散型観光」が、功を奏したからだ。
現在、人気を博しているのは早朝6時からスタートする座禅・精進料理体験や、一般拝観が終了した後の寺院を貸し切るナイトツアーだ。灯籠の灯りだけに照らされた境内を歩き、住職の解説に耳を傾ける体験は、旅行者に深い感動を与える。量を追う観光から、質の高い体験価値を提供する方向へ。鎌倉の英断は、日本の歴史的都市が抱える課題に対するひとつの明確な回答となった。