1970年代の創業当時、洋食はまだ一般家庭にとって特別な日のごちそうだった。創業者が掲げた「誰でも気軽に、本当に旨い洋食を味わってほしい」という情熱は、半世紀を経た今も変わらず厨房の底流に流れている。名物のデミグラスソースは、牛骨と新鮮な香味野菜を数日間かけてじっくりと煮込み、創業以来絶やさず継ぎ足されてきたものだ。一口含めば、奥行きのあるコクとほのかな酸味が口いっぱいに広がる。
時代の波に揉まれながらも、安易な効率化には逃げなかった。仕込みの手間を惜しまず、既製品のソースや化学調味料に頼らない姿勢が、長年にわたる顧客の信頼を築き上げた基礎となっている。