風呂上がりの火照った体で向かうべきは、館内に併設された食堂・休憩スペースだ。券売機でチケットを買い、パイプ椅子に腰掛ける。数分後に出てくる出汁の効いたうどんや、冷えたビール、素朴なおにぎり。何気ないメニューの数々が、お風呂上がりという魔法のシチュエーションによって極上のご馳走へと変貌する。
テレビのニュースをボーッと眺める一人客、仕事終わりの愚痴をこぼし合う同僚同士、風呂上がりのアイスを頬張る子供たち。ここには、SNSのタイムラインでは決して味わえない、リアルな人間の生活臭と温もりがある。見知らぬ同士が同じ空間で湯に浸かり、腹を満たす。昭和の古き良き時代から受け継がれてきた「無防備な憩いの場」が、そこには確かに残っている。