猫が日常的によだれを垂らす頻度は非常に低く、唾液の性状(形状・粘度・臭い・色)は体内トラブルを把握する直接的な指標となります。まずは現在見られているよだれが以下のどのタイプに該当するかを確認してください。
サラサラした透明なよだれが大量に出る場合、自律神経の急激な変化や興奮、または口腔内の初期刺激、軽度の乗り物酔いなどが考えられます。短時間で治まり、食欲や元気が通常通りであれば緊急性は低い傾向にあります。しかし、水のような唾液が止まらず口元から滴り落ち続ける場合は、異物の誤飲や胃腸の急激な不快感、吐き気の前兆であるリスクを否定できません。
白く細かい泡を吹くようなよだれは、極めて強い苦味や化学物質に触れた際の拒絶反応、あるいは有機リン系殺虫剤や毒性植物(ユリ科など)の摂取による急性中毒、てんかん発作の典型例です。泡状の唾液を排出しながら頭を振る、苦しそうに後退りする仕草を見せた際は、迷わず緊急受診の手配を進める必要があります。
よだれから強烈な臭いがする・粘り気や血が混ざるケースでは、進行した猫の口内炎や歯周病の症状、あるいは腎機能低下に伴う「尿毒症」が強く疑われます。唾液が茶褐色に変色していたり、毛づくろいによって前足の被毛が赤茶色に汚れている場合、口腔粘膜の重篤な潰瘍や歯槽膿漏が慢性化しているサインです。