ザ・ラスト・シャドウ・パペッツの原点は、2007年のArctic Monkeysのツアーにマイルズ・ケイン率いるThe Little Flamesがサポートとして帯同した時期に遡ります。意気投合したアレックスとマイルズは、スコット・ウォーカー、デヴィッド・ボウイ、さらにはエンニオ・モリコーネが手掛けたマカロニ・ウェスタン映画の劇伴音楽に対する共通の情熱からプロジェクトを始動させました。
フランス・ナント郊外のスタジオでプロデューサーのジェイムス・フォードと共にレコーディングされたデビュー作であり、Standing Next to Me 収録アルバムとして知られる名盤『The Age of the Understatement』(2008年リリース)。本作からのセカンドシングルとしてカットされた『Standing Next to Me』は、全英シングルチャート初登場上位を記録するなど、UKインディー・シーンに強烈なインパクトを与えました。
本作のサウンドを決定づけているのが、カナダの奇才音楽家オーウェン・パレット(Final Fantasy、Arcade Fireのストリングスアレンジで著名)が指揮を執ったロンドン・メトロポリタン・オーケストラによる22人編成のストリングスです。粗削りなガレージロック全盛のゼロ年代後半において、あえてアナログテープの質感を活かした壮麗な室内楽ポップを鳴らした戦略は、当時の音楽批評誌『NME』や『Q Magazine』でも「早熟な天才たちによる華麗なる温故知新」と極めて高く評価されました。