「部屋には置けるが、部屋までたどり着けない」というトラブルの典型例が、集合住宅特有の搬入障壁です。配送業界の統計によると、大型ソファーの配送トラブルの約7割が屋内・共用廊下の経路寸断に起因しています。確実な受け渡しを実現するには、緻密なソファー搬入経路の確認方法を網羅的に実践しなければなりません。
もっとも警戒すべきは、マンションエレベーター搬入の真相です。一般に6〜9人乗りの標準型エレベーターでは、扉の開口幅が80cm、高さが200cm、奥行きが130〜140cm程度となっています。このとき「ソファーの横幅が190cmだから、エレベーターの高さ200cm以内なら立てて入る」と短絡的に判断してはいけません。
重要なのは、エレベーター内側の対角線寸法と天井高、そして扉の有効開口寸法です。ソファーを立てて搬入する場合、ソファー本体の最大長だけでなく「奥行き」と「高さ」を含めた立体的な回転半径が求められます。本体の短辺(奥行または高さ)に対して、エレベーター扉や通路幅には最低でも+10〜15cmの余裕が必要です。梱包状態のダンボールを含めると外寸はさらに5〜10cm膨らむため、本体寸法ギリギリの計算は致命的なミスを招きます。
共用階段を利用する場合も、踊り場の天井高とクランク(直角旋回)の有無が命運を握ります。踊り場の奥行きがソファーの横幅以下である場合、空中で旋回させることができず立ち往生します。戸建て住宅の内階段では手すりの出っ張り(約10cm分)を見落として引っかかる事例が頻発しており、場合によっては窓からの吊り上げ搬入(費用相場:2万〜4万円の追加発生)を余儀なくされます。