「Lemon」の勢いは、テレビ放送の枠をはるかに越えてデジタル空間でも加速し続けた。YouTubeでのミュージックビデオ再生回数は日本の音楽シーンにおける金字塔を打ち立て、Spotifyをはじめとする各種音楽ストリーミングサービスでも国境を越えて再生され続けている。
デジタル上で楽曲に触れた若い世代や海外のリスナーが、映像の背景にあるロケーションの正体を知り、徳島へと足を運ぶ現象は今や日常的な光景となった。J-POPのヒットソングがデジタルの海を漂流し、最終的にリアルな美術館の空間へと人々を着地させる。音源を聴きながらシスティーナ・ホールの中央に立ち、イヤホンを外して空間の静寂と対峙する来館者たちの姿は、現代ならではの音楽体験のあり方を物語っている。