かつて車内の盗撮行為は、各都道府県が定める迷惑防止条例によって処罰されていました。しかし、自治体ごとに適用要件や罰則の重さに差異があり、高速道路を跨いで複数の都道府県を縦断する観光バス運行においては、管轄や証拠の立件にハードルが存在していました。
この法的な抜け穴を塞ぐ決定打となったのが、性的姿態撮影処罰法(性的姿態等不正撮影罪)の制定・施行です。これにより、正当な理由なく人の性的部位や下着などを隠し撮りする行為は、全国一律で厳罰の対象となりました。
撮影罪の適用により、有罪となった場合は3年以下の拘禁刑(懲役刑)または300万円以下の罰金が科されます。さらに、撮影した画像・映像をSNSや裏サイト等に提供・拡散した場合は「提供罪」として5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金という、より重い刑事責任を追及されることになります。現在では初犯であっても悪質な証拠隠滅や常習性が認められれば即座に逮捕・送検され、厳しい判決が下される判例が定着しています。