世間の視線や美意識の変遷も大きく関わっている。かつては隠す対象とされがちだった顔のほくろだが、表現者の個性として評価される時代へ変化した。代表例がアーティストの椎名林檎だ。デビュー当時の印象的なほくろは、彼女のミステリアスで前衛的な世界観を補完するアイコンとして記憶されている。また、俳優の竹内涼真のように、口元近くのほくろが親しみやすさやセクシーさを際立たせるケースもある。
一方で、テレビドラマの影響も無視できない。人気医療ドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』をはじめとする話題作でも、アップ画像で映し出される俳優陣の細かな表情や肌の質感に視聴者の注目が集まる。画面の高画質化が進んだ近年、SNSや動画プラットフォームでは「あのほくろはおしゃれか、それとも除去すべきか」という議論が日常的に交わされるようになった。