業界のビジネスモデルを根底から覆したのが、超党派の議員立法によって成立した「AV出演被害防止救済法(AV新法)」です。出演者の人権擁護と被害救済を最優先に掲げたこの法律は、従来の契約慣行に極めて厳しい制限を課しました。
最も大きな衝撃を与えたのが、出演契約を結んでから撮影まで「1カ月」、撮影終了から作品公表まで「4カ月」のインターバルを義務付けた規定です。企画から販売まで最低でも5カ月以上を要することになり、トレンドを素早く反映したスピード感のある作品作りは完全に封じられました。
さらに制作側を震え上がらせたのが、「作品公開後であっても、一定期間内であれば出演者が理由を問わず無条件で契約を解除できる」という特別ルールです。契約が解除された場合、メーカーは即座に作品の販売停止・回収を行わなければならず、投じた制作費や宣伝費は一切補償されません。この巨大な経済的リスクを恐れ、中小メーカーの多くが新作制作の縮小や撤退を余儀なくされました。