なぜ大相撲中継では、これほどまでに特定の観客が目立つのでしょうか。その最大の理由は、NHKの大相撲中継におけるカメラワークと会場レイアウトにあります。
大相撲の中継カメラは基本的に「正面」側にメインカメラが設置されます。土俵上の力士が立ち合いを行う際、正面カメラは力士の全身とその後ろに広がる「向正面の溜席」を真正面から捉えます。特に立行司の後ろや土俵の延長線上にある座席は、取組中はもちろん、仕切り直しの間もずっとフレーム内に収まり続ける配置になっています。
さらに、砂かぶり席は土俵と同じフロアレベルに座布団を敷いて座るため、力士との高低差がほとんどありません。そのため、カメラの被写界深度やアングルの関係上、土俵上の迫力とともに観客の表情やリアクションが鮮明に描写される構造になっているのです。