外食チェーンの定食が1000円を軽々と超えることが当たり前になった2026年。しかし、暖簾を守る店主たちの眼差しはどこまでも真っ直ぐだ。名物の豚生姜焼き定食やアジフライ定食は、今なおワンコインから600円台という驚異的な価格設定を維持している。
「儲けなんて後回し。毎日来てくれる近所の人に申し訳ないからね」。そう言って微笑む店主の言葉には、長年の誇りが滲む。独自のルートで直接買い付ける地元の野菜、無駄を徹底的に省いた家族経営。コストカットという無機質な言葉では括れない「お互い様」の精神が、この価格を守り抜く原動力になっている。