日本の金融界における伝説的人物、安田善次郎。彼が一切の無駄を削ぎ落とした勤倹尚武の精神で創業した旧安田財閥は、三井や三菱、住友といった他の財閥とは一線を画す異色の存在だった。政商としてのコネに頼り切るのではなく、圧倒的な資金流動性と厳しいリスク管理によって成り立っていたからだ。
その冷徹とも言える合理主義は、現代の金融業界においても今なお語り継がれている。かつての安田銀行が現在の主力金融グループへと姿を変え、保険事業が大手生保や損保へと引き継がれていく過程で、理念はどのように形を変え、生き残ってきたのだろうか。