和三盆の圧倒的な上品さを決定づけているのが、原料となるサトウキビの品種「竹糖(ちくとう・細黍)」です。沖縄などで栽培されている一般的な熱帯性サトウキビが草丈3メートル以上、茎の太さが大人の腕ほどに育つのに対し、竹糖は草丈が2メートル前後、茎の太さも指先ほどと極めて細身です。
収穫量が少なく機械化にも適さないため、現代の大規模農業の観点からは極めて非効率と評されます。しかし、この竹糖こそが和三盆特有の風味の源泉です。繊維が硬く絞れる果汁の量は限られますが、雑味が少なく、野性味の中に洗練されたミネラルと蜜の香りを豊富に蓄えています。
霜が降りる直前の11月中旬から12月下旬にかけて手作業で一本一本収穫され、すぐさま製糖所へと運ばれます。北限に近い厳しい冬の入り口で収穫されるからこそ、糖分が凝縮し、上白糖やグラニュー糖のような高純度精製糖では決して出せない、複雑で丸みのある旨味が宿ります。