シアトル・マリナーズの主力を担い、メジャーリーグベースボール(MLB)の歴史を塗り替えていた黄金期、イチローの不調は数字上どのように現れていたのか。現代野球の分析指標であるセイバーメトリクスを用いて当時のデータを再解析すると、興味深い真実が浮かび上がってくる。
彼が打撃不振と報じられた時期であっても、ハードヒット率(強振度)やコンタクト率自体は大きく低下していなかった。むしろBABIP(インプレー打球が安打になる割合)の短期的な下振れや、野手の守備シフトによる運の要素が大きく影響していたケースが多かった。データは、彼が不調に見えた時期であっても、スイングの本質的なクオリティを高く維持していたことを裏付けている。