吉幾三の人間性を語る上で欠かせないのが、家族への深い情愛と後進の育成にかける情熱です。
吉幾三の長女であるKU(ケーユー)は、実力派シンガーソングライターとして活動しています。父と同じ音楽の道を歩みながらも、自身のルーツであるR&Bやポップスを軸にした独自の音楽性を確立しており、親子でのテレビ共演やコンサートでのデュエットでは、互いにプロの音楽家としてリスペクトし合う温かい関係性がファンの胸を打っています。過度な親の七光りに頼ることなく実力でステージに立つKUの姿勢には、吉幾三の自立を重んじる教育方針が色濃く反映されています。
一方、弟子として演歌・歌謡界で目覚ましい躍進を遂げているのが真田ナオキです。真田の唯一無二の「ノックアウトボイス」と呼ばれるしゃがれ声の魅力を見抜き、師匠として徹底的に指導した吉幾三は、自ら作詞・作曲を手掛けたシングル『恵比寿』を提供。同曲で真田ナオキは見事「第62回日本レコード大賞 最優秀新人賞」を受賞しました。
伝統的な芸能界の徒弟関係といえば、時に閉鎖的で厳しい上下関係を想起させがちですが、吉幾三と真田ナオキの関係は極めて現代的かつ愛に満ちています。真田が公の場で語る「師匠は歌の技術だけでなく、人としての礼儀と感謝の心を教えてくれた」という言葉通り、単なる師弟を超えた固い絆で結ばれており、演歌界の未来を担う後継者育成においても大きな成果を挙げています。