象徴的な変化は、長年お茶の間に愛されてきた看板番組の現場でも起きている。日本テレビの『金曜ロードショー』は、かつて映画ファンのみならず企業のブランディングの場として絶大な人気を誇った。しかし、サブスクリプション型配信サービスの普及に伴い、映画を地上波の放映時間に合せてリアルタイムで観る文化そのものが薄れ、枠全体のスポンサー構成は著しい若返りと短サイクル化を余儀なくされている。
CM枠の存在しない公共放送の『NHK紅白歌合戦』すら、このメディア変容の影響から無縁ではない。紅白の出場歌手や番組演出は、以前にも増してZ世代や配信ヒット曲を最優先する構成へとシフトしている。その背景には、年末年始のテレビ視聴習慣そのものが崩壊し、スポンサー企業が紅白裏の民放特番へ資金を投じる意欲を失っているという厳しい現実が存在する。