皮膚科の待合室において女性医師の診察を希望する声が絶えない背景には、単なるイメージにとどまらない身体診察ならではの構造的な要因が存在します。
皮膚科の診療は、病変部を直接「見て、触れる」視診・触診が基本です。患部が顔や腕だけでなく、臀部、胸部、太ももの付け根、あるいはデリケートゾーンに及ぶケースは珍しくありません。男性医師の前で服を脱ぐことに対する羞恥心やストレスから受診を先延ばしにし、症状を悪化させてしまう患者が少なくない中、同性である女性医師の存在は受診のハードルを劇的に下げる役割を果たしています。
都内の総合病院で皮膚科部長を務める医師は、現場の事情を次のように明かします。「問診票の自由記述欄に『できれば女性の先生を希望』と書き添える患者さんは、10年前と比較して倍増しています。特に性器周辺のかゆみや帯状疱疹、胸元の皮疹などは、男性医師には打ち明けにくかったと吐露される方が非常に多いのが実情です」。
「皮膚科の女医がなぜ人気なのか」という疑問の根底には、病気を治すことと同等に診察時の心理的安全性と羞恥心のケアを求める現代の患者心理が強く反映されています。