「日本一予約が取れない鮨屋」という形容は、決して誇張ではありません。日本橋蛎殻町すぎたの席数はカウンターわずか9席。1日2回転の営業を行っているものの、1日に席へ座ることができるのは延べ20名にも満たない計算になります。この極小のキャパシティに対して、国内のみならずインバウンドの富裕層からも凄まじい需要が殺到しています。
予約が絶望的と言われる最大の構造的理由は、「訪問客がその場で次の予約を押さえて帰る」という次回予約システムにあります。すぎたでは、長年通い詰める常連客に対する配慮として、食事後に数カ月先の予約を取る仕組みが慣例化してきました。席が空いた瞬間、その席は次回の訪問者で即座に埋まるため、理論上、外部の新規客に回る席はゼロに近い状態が続いています。
加えて、予約管理プラットフォーム「OMAKASE」での一般予約枠の解放頻度が著しく限定的であることも、ハードルを押し上げている要因です。ごく稀にキャンセル席や突発的な空席が通知されるケースはありますが、数千人規模のユーザーがコンマ数秒のクリック競争を展開するため、一般の利用者が自力で確定画面に到達することは奇跡に近い確率となっています。