マットの上で相手と組み合い汗を流していたアスリートが、なぜマイクの前で笑いを取る道を選んだのか。レスリング日本代表として世界を狙える位置にいながら、彼は自身の内側にある「人を笑わせたい」という熱量に嘘をつくことができなかった。厳しい減量や過酷な練習を乗り越えた精神力は、そのままタフな粘り強さとなって現場で生きている。
同期や後輩芸人たちが口を揃えるのは、彼の土壇場での勝負強さだ。相手の動きを一瞬で見極めるレスリングの鋭い洞察力は、即興の絡みや舞台上でのハプニング処理にも大いに活かされている。勝負師としての本能が、彼を舞台の中央へと押し上げているのだ。