同園を語る上で欠かせない象徴が、アジアゾウ「ふじ子」の存在だ。半世紀近くにわたり市民や観光客に愛され続けてきた彼女は、園内のアイドルであり、生き生きとした姿で訪れる者を迎えてくれる。おやつの時間に鼻を器用に使って餌を食べる様子は、世代を超えて人々の笑顔を引き出してきた。
こうした質の高い飼育環境と展示手法は、日本動物園水族館協会(JAZA)が求める基準にもしっかりと応えている。公営動物園として命の大切さを伝える教育的役割を果たしつつ、地域に根ざした生息域外保全や啓発活動に注力する姿勢は、専門家の間でも高く評価されている。
飼育員たちの日々の細やかなケアと、動物たちへの深い愛情。それが伝わってくるからこそ、ふじ子を取り巻く空間にはいつも温かな空気が満ちているのだ。