慰安婦写真の真相を追究する上で、世界の歴史研究者が拠って立つ最大の拠点がアメリカ国立公文書館(NARA: National Archives and Records Administration)です。ここには写真原本のネガフィルムとともに、撮影日時、撮影者、撮影場所、そして当時の米軍担当者がタイプライターで打ち込んだ公式キャプション(写真説明文)が完全な形で保管されています。
一例として、身重の姿で佇む女性(後に名乗り出た朴永心=パク・ヨンシム氏)が写る有名な写真には、「1944年9月3日、中国雲南省松山にて撮影」という明確な記録が存在します。米軍の公式記録番号とともに整理されたこれらの資料は、意図的な演出や戦後の捏造ではなく、当時の戦闘現場で直接記録された公的一次史料であることを裏付けています。
一方で、近年の慰安婦写真の検証作業においては、ネット上や一部出版物で出回った誤ったキャプションの訂正も進められてきました。例えば、民間の娼妓や戦災難民を写した別の写真が混同されて拡散したケースなども指摘されており、研究者の間では「公文書館に保管されているオリジナルプリントと公式文書番号を照合する」という厳密な検証手続きが徹底されています。