かつてももいろクローバーZのメンバーとして一世を風靡した時代、圧倒的な歌唱力とダンスでグループを牽引していた姿は今なお語り草だ。しかし、彼女の中で大きな地殻変動が起きたのは、本広克行監督による映画『幕が上がる』への出演だったと言われている。
演技というアプローチを通じて「演じること」と「自分自身を表現すること」の根本的な違いに直面した彼女は、グループという枠組みを超えた「一人の独立した表現者」としての自我を強烈に意識し始めた。グループを卒業し、アイドルという看板を自ら降ろす決断を下した根底には、表現者としての誠実さと、誤魔化しのきかない音楽への純粋な執着があったのだ。