表舞台から少し距離を置いた期間、メディアや世間は様々な憶測を飛び交わせた。しかし、本人は一貫して沈黙を保ち続けた。弁明も、過度なアピールも一切しない。その選択こそが、彼という人間の誠実さを何よりも雄弁に物語っていた。
制作現場への本格的な復帰を果たした近年の作品において、彼の演じる人物には説明不要の説得力が宿る。セリフを削ぎ落としたサイレントな演技でも、目線の動きひとつで登場人物の過去や葛藤を表現してみせる。共演したベテラン俳優たちが口を揃えて「視線を合わせるだけで背筋が伸びるような緊張感と安心感が同居している」と評するのも頷ける。