世界の女子シングルを牽引してきた日本勢にとって、アメリカ勢の急伸は最大の脅威だ。圧倒的なスケーティングスピードと高い完成度を誇る坂本花織や、次世代のエース候補たちが築いてきた要塞に対し、アメリカ勢は異なるアプローチで挑みかかっている。
イザボー・レヴィトの芸術性は、欧州や北米のジャッジから極めて高い演技構成点(PCS)を引き出す。指先の軌道一つにまで神経を行き届かせた彼女のプログラムは、技術偏重になりがちな現代のコンペティションにおいて異彩を放つ。一方で、アンバー・グレンの一撃必殺の破壊力と、アリサ・リウの卓越した勝負強さが加わることで、日本勢は「完成度」だけでなく「爆発力」とも対峙しなければならない。
ISUグランプリシリーズの各大会でも、日米の直接対決は常に緊迫感を帯びている。ショートプログラムで僅差につけ、フリーの大技で一気に逆転を狙う――そんな北米勢のゲームプランが、国際大会のスコアボードを激しく揺るがし始めている。