新世界に君臨する四皇「黒ひげ」マーシャル・D・ティーチの本拠地、海賊島ハチノス。ここに囚われた若き英雄コビー大佐を奪還するため、海軍本部中将モンキー・D・ガープは特殊部隊「SWORD」や息のかかった若手海兵たちを率いて電撃的な強襲を敢行しました。軍艦を空から叩き落とし、覇王色の覇気を纏った「拳骨衝突(ギャラクシーインパクト)」で市街を壊滅させたガープの前に立ちはだかったのが、かつての海軍最高戦力であり、愛弟子でもあった元海軍大将クザンです。
当時、両者が命を削る死闘を演じることになった引き金は、単なる海賊と海軍という記号的な敵対関係にとどまりません。赤犬(サカズキ)とのパンクハザードにおける元帥の座を賭けた10日間に及ぶ決闘に敗北し、海軍を離脱したクザンは、黒ひげ海賊団の「10番船船長」という肩書を背負ってハチノスに君臨していました。対するガープは、組織の縛りを嫌いながらも海軍に留まり続け、己の信念に基づき「未来ある若手」を育てることに晩年を捧げています。
「今を自由に生きてる」と言い放つクザンに対し、ガープは「フラフラしてる男が偉そうに言うな」と一喝。愛弟子だった男の迷走を親父代わりとして力ずくで叩き直さんとするガープの激怒と、退路を断って自らの道を進むクザンの意地が衝突した瞬間でした。お互いにとって最も理解し合っていたはずの師弟が、立脚する立場の非情な違いによって全力のクロスカウンターを繰り出す姿は、シリーズ屈指の切なさを伴う名場面となりました。