そもそも、なぜ冬用の素材が夏の冷え対策に応用できるのか。その理由は、開発背景にある先進的な技術力に隠されている。世界的な素材メーカーである東レ株式会社と共同で立ち上げられたヒートテック開発プロジェクトは、人体の皮膚から常時蒸散している微細な水蒸気を熱に変えるアクリルやレーヨンの複合繊維構造を確立した。
この極細繊維は単に熱を発生させるだけでなく、優れた調湿機能と吸湿性を併せ持っている。急激な水分蒸発による体外への熱放散を適度にコントロールするため、冷房の冷風が肌に直接触れて深部体温が急降下するのを防止する。技術の結晶である微細な繊維レイヤーが、極端な室内環境下で緩衝帯として機能する構造なのだ。